地域活動をしている人として、地域おこし協力隊の方を訪問してお話を聞いています。まずは今年着任した、川尻町地域おこし協力隊の三村明日海さん。

主に食肉処理センターの運営の見直しを通じて地域を盛り上げることを目的とした協力隊員です。ジビエの活用に興味があり、そのテーマで募集をしていた呉市川尻町の地域おこし協力隊に応募したそうです。

まずは現在の食肉処理センターの方へのヒアリングをしたり、地域を知るために様々な方にお話を聞いているそうです。川尻ではイノシシを「野呂くじら」としてブランド化して販売しています。現在の食肉処理センターは、地元の猟友会の方々が大切に管理して運営してきましたが、高齢化もあり活用を模索しているところ。

「ゼロからのスタートではなく、現在の猟友会の方が細かく記録してデータを取られているんです。施設もとても綺麗に管理されています」

センターを訪問したところ、確かに建物周辺も含めて、とても綺麗に管理されていることが分かりました。そうした土壌があるからこそ、三村さんが目指していることがあるそうです。

①国産ジビエ認証を取る②販路拡大

ゆくゆくの目標をそこに定めながら、今の課題を地道に解決していきたいと考えているそうです。
「そもそも地元の川尻の人が加工センターや“野呂くじら”を知らないので認知をあげていきたい。年配の人ほど、ジビエへの忌避感が高いので。多分、過去にうまく下処理できていないジビエを食べて美味しくないイメージがついているんだと思います。だから、若い世代を育てる必要があります」

そこで、4月の着任から、以下の取り組みをしてきました。
・SNS開設 Instagram 「川尻町地域おこし協力隊」「ジビエ問屋クレ83」※是非チェックしてね!
・処理センターの名称変更「ジビエ問屋クレ839」へ

ジビエの多彩さを伝えるために、いつか、野呂山ジビエを麓で食べられるカフェを作りたいのだそうです。
川尻の風景や人も、とても気に入っているのだそう。
霧がかかった山を眺めながら「本当に、良い場所ですよね」と話されていたのが印象的でした。

[プロフィール]
鳥取県出身 京都の大学へ(西洋史学近代ドイツ史専攻)※ドイツはジビエ先進地なので関連することもあるかも?
京都に住んでいた頃に、美山という地域で自分で鹿の皮をはぐ体験をし、ジビエに興味を持つ。美味しいジビエに出会い、ジビエの多様さを知る。翻訳の仕事を3年ほどして、その後Uターンして鳥取県江府町で1年ほど地域おこし協力隊としてジビエに関する取り組みに関わる。
温かい土地で暮らしたい、と考えていた時に呉市で「ジビエの活用」を目的とした地域おこし協力隊募集があり、応募。

ちなみに・・・
これまでの呉市の地域おこし協力隊は「フリーミッション型」と呼ばれ、協力隊員が課題を見つけて解決を考える形式での採用でしたが、今回ははじめて課題を地域が設定したミッション型の採用です。
元々地域おこし協力隊を担当している呉市地域協働課に加えて、農林水産課も協力しています。
川尻の食肉処置センターでの取り組みを、他地域にも繋げる狙いがあるそうです。(6月取材)

スタッフ 小野