呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取り組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。
今回は「安浦町まちづくり協議会」を取材。同協議会の山田会長と桐山副部長にお話を伺いました。
写真は安浦町まちづくり協議会の取り組みの一つである「YMHC」を表す写真です。YMHC(安浦町まるごと博物館構想倶楽部)として、安浦町で生まれ、安浦の風景を描いた故山本譲さんの作品の複製画を安浦町内の小中学校や郵便局、飲食店などに展示することで観光資源として活用するとともに、安浦の今昔を学び新たな発見・発掘と発信をするための活動をしています。

●安浦地区ってどんなところ
安浦町まちづくり協議会の山田会長は「安浦町は呉市最東部にある海と山に囲まれた自然豊かな町てす。絶滅危惧種の「ハクセンシオマネキ」が生息し、「リュウノヒゲモ」「カワツルモ」など貴重な植物が生育しています。また、4つの地区(野路地区・三津口地区・内海地区・安登地区)に大きく分け、それぞれが町の特性を活かしながらまちづくりに取り組んでいます。桜の花びらが広がるように、地域住民の心が明るくなってまちに広がっていくイメージです。地域全体でまちづくりに取り組み、みんなで花を咲かせることが安浦町の発展に繋がっていくと考えています。」とおっしゃいました。

●安浦地区の良いところ
瀬戸内海国立公園で2番目に高い野呂山があります。また、付近にある野呂山伊音城弘法寺は、弘法大師空海が2度登山し、岩屋で修業に専念したゆかりの地として伝えられています。広島県の魅力ある建造物100選にも選ばれた太平洋戦争 末期に建造された鉄筋コンクリート製貨物船「武智丸」は、三津口湾防潮堤として役割を担っており、三津口湾は中国地方で最大級の甘藻場でもあります。さらに、山田会長は「平成30年の災害を機に、町内に鯉のぼりを揚げて“元気を出してがんばろう安浦”という気持ちで町民にエールを送っています。」とお話しされました。青空を泳ぐ鯉のぼりは、鮮やかで元気を与えてくれます。

●安浦町まちづくり協議会の特色
平成30年7月豪雨災害時、安浦町に多くのボランティアが全国各地から集い、復興復旧の支援活動を行いました。この災害を受け、令和元年にアンケートを通じてこれまでの活動を振り返り、事業計画を 見直しました。改訂版を作成する際に公募し、「優しさと笑顔広がるまちやすうら」を新たなまちのスローガンに決定しました。「自然と生きるまち」「人がつながるまち」などを含めた5つの視点からまちづくりに取り組んでおり、安浦市民センター内の協働スペースを拠点に、地域活動をサポートして います。また、月に1度第1火曜日18時から事業企画部会を同センターで開催しています。

●安浦町まちづくり協議会の行事(※一部紹介)
・YMHC(安浦町まるごと博物館構想倶楽部)
安浦町で生まれ、安浦の風景を描いた故山本譲さんの風景画を通して歴史文化を学び、安浦町全体が博物館となり、賑わいのある地域にするため、安浦町まるごと博物館構想倶楽部(YMHC)を作りました。絵の描かれた場所を巡るウォーキングマップ「三津口編」「安登編 野路編」「内海編」を作成し、複製画を地元の小・中学校や郵便局などに展示するなど、観光資源として活用し、町の魅力や歴史の変遷を伝えています。

・まちづくり情報誌TANTO
年4回発行し、安浦町の魅力を町内外に発信しているまちづくり情報誌TANTOは、安浦タント節を元に、情報満載の意味を込めて「たんと」と名付けました。地元の旬な話題や安浦町の元気人を紹介しており、町内全戸配布しています。山田会長は「51号(令和4年)から編集長が元安浦町地域おこし協力隊の二神さんに変わりました。気楽に読めてまちのことが分かるような情報誌にして欲しいと伝えました。若者が発信したいことを自由な発想で作って欲しいです。」とお話しされました。

●まちづくりの課題
人材育成が課題です。“人が財産”と考え、まちづくりに携わる人材の発掘も含め、事業企画部会への声掛けを大切にしています。気づいた時に声を掛け合えるような関係性を構築していきたいそうです。山田会長は「部会には若い人も参加しており、やすうらコミュニティサロン繋ぐや女子畑やぎ牧場など、地域で頑張っているお母さん達の情報を掬い上げ、伝えます。地域のイベントを共有したり、困りごとを相談したり、知恵を出し合ったりと互いに刺激を受け合っています。意見交換だけでなく、人材育成の場にもなっています。」とおっしゃっていました。

スタッフ 岩崎