呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取り組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。

今回は「郷原町まちづくり委員会」を取材。郷原町まちづくり委員会の山本会長にお話を聞きました。写真は8月12日(土)に郷原まちづくりセンターで行われた郷原町盆踊り・花火大会の様子です。盆踊り大会は4年ぶりの開催だったそうで、子どもからお年寄りまでたくさんの方が来場されていました。

●郷原地区ってどんなところ?

郷原地区は呉市の北東部に位置しており、のどかな田園風景が広がり、緑あふれる山々に囲まれています。国道375号線、県道66号線、林道郷原野呂山線、東広島・呉自動車道を有する交通の要衝であり、四季を通じて様々な自然の風景を楽しめる自然環境に恵まれた地域です。呉新世紀の丘開発構想により工業団地(桑畑・長谷・郷原)、住宅団地(学びの丘・野路の里)、呉大学(現広島文化学園大学)、グリーンヒル郷原が整備されるなど「産・学・住・遊」の調和の取れたまちづくりが進められています。

●郷原地区の良いところ

古くからの住民と他地域から移住してきた住民が交流を深めており、住民同士の仲が良いそうです。郷原町まちづくり推進委員会の山本会長は「地域行事や伝統行事、学校行事など協力し合うことが大切だと常日頃話しています。」とおっしゃっていました。11月3日に執り行われる新堂平神社の例祭は、鬼・奴・笛・太鼓などによる神輿行列で賑わいます。無病息災を祈り、1月に各地区で行われる伝統行事のとんど祭りで37.5mに及ぶとんどを製作したことがあるそうです。郷原町の伝統文化を次世代へと繋いでいます。

●郷原町まちづくり委員会の特色

自治会、民生委員・児童委員、女性会など各種団体が調和を図り、地元の小・中学校とも協力しながら一体感のあるまちづくりを進めています。今後もまちを良くする地域資源を活かし、柔軟な発想で取り組んでいきたいと考えています。山本会長は「何かあればいつでも協力し合える体制を整えています。何をするにも労力が必要なので、ボランティアで全て上手くいくというものではないと思います。できる人ができることをしたら良いと考えています。」とお話しされました。山本会長は郷原町のまちづくりに20年携わっておられます。

●郷原町まちづくり委員会の行事(※一部紹介)

・自然と共存したまちづくり
平成22年からホタルの住む町を守るため、環境保全活動を始めました。郷原中学校の1年生と地元住民・団体・企業が協働し、大谷川の「ホタルの里」づくりを行っています。PRのための看板づくりや清掃活動、さらにはホタルの卵を孵化させ放流するまでを中学生が行っています。また東広島・呉道路の郷原ICの開通に合わせて平成23年にシバザクラの郷づくりを始め、平成25年には「シバザクラの咲き誇る郷づくり」が美しい街づくり大賞に選ばれました。春には花の絨毯が郷原町を彩ります。

・郷原町盆踊り・花火大会
例年8月に地域住民の交流の促進や親睦を深めることを目的に、町を挙げて盆踊り大会を開催しており、花火も見どころの1つです。地元の方が作詞・作曲をした郷原音頭は平成21年度に完成し、地元の方々に親しみ愛されています。女性会のメンバーが中心となって学校へ出向き、児童や生徒に踊りを指導し、文化を継承してます。小・中学校の運動会で全校児童・生徒が競技として踊りを披露します。

●まちづくりの課題

郷原地区では、70才以上を対象としたいきいきサロンを開催しており、高齢者の健康増進と外出の機会を増やすことを目的に、まちづくりセンターでサロンを毎月1回開催しています。山本会長は「地域の対象者にサロンの案内を平等に届けたいです。」とおっしゃっていました。ふれあい・いきいきサロンを各地区に作りたいと考えていますが、個人情報保護法の兼ね合いもあり、なかなか参加の呼び掛けが進まないという葛藤を抱えているそうです。民生委員・児童委員や地区社協と協力し、取りこぼしのないよう参加を呼び掛けていきたいと考えています。

スタッフ 岩崎