呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取り組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。
今回は「音戸町まちづくり協議会」を取材。音戸市民センターにてお話を伺いました。美しい建物の写真は、建築家隈研吾さんが設計された音戸町の地域拠点である音戸市民センターです。また、賑やかな様子が伝わってくるような写真は、まちづくり協議会の取り組みである「音戸清盛祭」と「音戸フェスマル」の様子で、音戸市民センターよりご提供いただきました。
●音戸地区ってどんなところ?
音戸地区は倉橋島の北側に位置し、四方を海に囲まれています。本土とは、令和3年に開通60周年を迎えた赤いアーチが美しい「音戸大橋」と「第2音戸大橋」の2橋でつながり、隣の能美島とも「早瀬大橋」で陸続きになっています。この早瀬大橋も令和5年に開通50周年を迎えています。豊かな海が育てる牡蠣の養殖が盛んな町内では、地元の3つの漁協がそれぞれ主催するかき祭が冬に開催されています。また、江戸時代から続く伝統文化として、日本三大舟唄の「音戸の舟唄」は今でも歌い継がれ、同じく伝統行事の「音戸清盛祭」とともに市の無形文化財に指定されています。
●音戸地区の良いところ
音戸地区の自慢の一つ、音戸市民センターは建築家隈研吾さんの設計で、瓦と自然が連なる周辺集落との融合がコンセプトになっています。呉市役所の支所、公民館、図書館、多目的ホールを複合した地域拠点施設として、平成19年に竣工しました。音戸地区では、毎月開催される朝市・野菜市の他、音戸フェスマル、消防大会などのイベントが開催されています。中でも一大行事の「音戸清盛祭」は5年に一度開催されます。海や山などの自然も間近に感じられる、温暖な気候のとても住みやすい町です。
●音戸町まちづくり協議会の特色
音戸町まちづくり協議会は、活性化や活力創出のため、町内や近隣地域との連携を図りながら、積極的に活動しています。住民が幅広く参加し運営する朝市や音戸フェスマルなどの他、音戸大橋開通60周年イベントは、警固屋まちづくり協議会と合同で開催。また、早瀬大橋開通50周年のイベントは、江田島市大柿町自治会連合会との共催で開催しました。また、協議会内組織の「音戸町魅力化推進協議会」は、「カキロゲイニング」や「イロ・サクレ音戸」などのイベントの他、街なみ環境整備事業や音戸高等学校の存続に向けての連携、ボランティアの創出など音戸町の魅力アップに取り組んでいます。
●音戸町まちづくり協議会の取り組み(※一部紹介)
・音戸フェスマル(フェスティバル&マルシェ)
昭和61年に始まり、令和4年度で終了した音戸フェスティバルの後継イベントとして、令和5年度から音戸町まちづくり協議会主催の「音戸フェスティバル&マルシェ(通称:音戸フェスマル)」が始まりました。音戸清盛太鼓の生演奏などのステージ企画や模擬店の出店などだけではなく、音戸町文化団体連合会と音戸高校文化祭を同時に開催し、会場の音戸市民センターには、約4000人が来場しました。
・まちづくりを応援する情報誌きらきら通信
まちづくり協議会では、まちづくりを応援する機関誌「音戸の瀬戸きらきら通信」を毎月10日に発行し、町内全戸に配布しています。音戸地区のイベントやまちづくりセンター、図書館からのお知らせなど、地域住民のニーズに即した、地区のたくさんの情報が掲載されています。令和6年1月発行の172号では、音戸町スポーツ協会と音戸町陸上競技会が主催し、今回で63回を数える「音戸一周駅伝」について,開催日時や通過予定時間のほか、町内の交通規制について詳しく知らせる記事などが載せられていました。
●まちづくりの課題
かつては呉市のベッドタウンでしたが、現在では少子・高齢化などから世帯数、人口共に減少が続き、スーパーや商店街が減少したことで、買い物等に不便を感じる住民が増えています。毎月開催する朝市・野菜市が助けにはなる住民はいますが、限定的で全体の解決にはなっていません。また、若い人達のマンパワー不足は顕著で、お祭や地域行事の開催に苦心する地域も出ています。こうした課題の根本的な解決簡単ではありませんが、イベントなどを通じて、小学生・中学生・高校生の関わりを増やしたり、ボランティアを募集したりするなど、まちづくりに若い力や新しい風を取り入れ、課題解決に取り組みたいと考えています。
スタッフ 岩崎
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