今月発行した「にじいろくれよんbook」の内容を、こちらのページでもお伝えしていきます。
地域への関わり方はいろいろです。
様々な呉の彩り方をみつけてくださいね!
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人も動物も幸せなまちにする人
くれアニマルボランティアの会
増本聡さん 増本千代美さん
〜何もしないと 後退するばかりだから〜
青空と緑が心地良い休日のグリーンヒル郷原。
その1角の広場で、10頭ほどの犬が学生に連れられ、楽しそうに駆けています。
呉市動物愛護センターで保護されている犬たち。捨て犬などが保護され、新たな飼い主を探すために集められています。
この日は高校生の体験ボランティアが訪れていました。
散歩の仕方を教えるのは「くれアニマルボランティアの会」として動物の世話や掃除、啓発活動などをしている、増本聡さん、千代美さんご夫妻。
「ここは、捨てられる動物が居なければ、本来要らんのです。今、広島県は殺処分ゼロですが、引き取りをする団体が無理して頑張っているだけで解決ではありません。捨てる人が居なくならんにゃ、意味がないんです。皆も気軽に飼わんで欲しい」
学生たちに、淡々と、穏やかに語る聡さん。でも、その声は切実です。
ほとんど毎週、休日には活動に訪れる増本さん夫妻。センターに訪れ始めたのは、結婚する前のこと。先に居たのは千代美さんでした。
「昔は、ここに近づきたくなかった。犬が好きだから〝悲しい場所〟を見たくなくて」
初めて訪れたのは、2008年。グリーンヒルに芝桜を見に訪れた際、そこで繋がれていた犬にふと惹かれ、懐かれたことがきっかけでした。
「その犬・・・『アイちゃん』に会いに行こう、と思って通い始めました。ボランティアという意識もなく。自分は飼えない環境なので『アイちゃんが貰われるまで』と思って。貰われた時は、嬉しくて嬉しくて。そしたら、また気になる子が現れて・・・で、今に至る、と(笑)」
ある時「力仕事要員で」と、友人に誘われて訪れたのが聡さん。
「昔から動物に好かれるんですよ。初回、子犬の体を拭いたんです。犬が喜ぶんで。やりがいを感じて。自分の特技が生かせる場が見つかった感じです(笑)」
休日の度に活動するのは大変なはず。でも、お2人が持つ雰囲気はとても穏やかです。
「問題の解決には100年かかるんじゃないか、と思うんです。でも、何もしないと後退するばかりだから」
そう話す千代美さんと、深く頷く聡さん。
一歩一歩、着実に。
その活動は〝悲しい場所〟だったセンターを、動物たちの新たな家族を探すための〝あたたかな場〟へと少しずつ変えています。
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呉市動物愛護センターの保護動物の情報はこちらをご確認ください。
http://hiroshimapet.blog109.fc2.com/
スタッフ 小野
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