呉市市民協働センター

あなたと一緒に考えます 市民協働のまちづくり

日: 2018年6月3日

【にじいろくれよんbookより〜その⑦】

今月発行した「にじいろくれよんbook」の内容を、こちらのページでもお伝えしていきます。
地域への関わり方はいろいろです。
様々な呉の彩り方をみつけてくださいね!

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まちの歴史を観光につなげる人

呉観光ボランティアの会 会長
福原 実夫

〜知識は財産 それを伝えていきたい〜

「僕らのふるさとじゃ。あの辺りは」

そう言って、誇らしそうに呉の工場地帯の方を指さす、ハツラツとした、白髪の男性。
呉の観光地各所でボランティアでの案内をしている「呉観光ボランティアの会」の代表の、福原実夫さんです。

呉を〝ふるさと〟と語る福原さん。出身は山口県の下関市です。呉に来たのは19歳の時。製鉄所で働くためでした。

「呉駅に家族が来てね。『頑張れよ』言うて。でも道がわからんし寮の場所もわからん。怖かったよね。19歳で知らん土地で」

そんな呉での生活のスタートでしたが、高度経済成長での呉の産業都市としての繁栄のただ中を過ごし、60歳の定年まで働きました。そして定年後は、知人の誘いで、市外へのツアーを企画する旅行会社で働きます。

「楽しかったよ。企画して人に楽しんでもらうんは」

3年ほどで仕事から離れ、カラオケや書道、日本舞踊など、習いごとを楽しむ生活をしていましたが「自分の持つ知識で社会貢献がしたい」と思い、平成18年、呉観光ボランティアの会に入会しました。

「歴史は学生の頃は苦手じゃったよ。でも定年後に苦手なことをやろうと思うてね。日本の行く末を語るのに、歴史を知らにゃ語れんじゃろう」

歴史を学ぶ中で、呉の戦後への興味が深まります。

「何の気なしに生きて来た場所じゃけど、焼け野原で失業の町じゃったはずの呉が這い上がった。すごいことよ。それは何故か?と」

福原さんの口からは歴代の市長やその細かな政策まで、豊富な知識が溢れ出ます。

「絶えず〝何故?〟を持って歩いとる。今の呉を語るには、昔を知らにゃいけんじゃろう」

その尽きない探究心が今の活動を支えています。


「ボランティアの会員さんが、ほんまに一生懸命勉強してくれとる。それが一番の刺激。会員さんの知識は財産。それを伝えていきたいんよ。活動を継続させて、日常で呉を楽しんでもらえるようにしていきたい」

目標は、観光とまちづくりを一体でやっていくこと。
現在、80歳。その探究心とパワフルさに触れ「負けてはいられない!」と思わされました。

(2016年11月 取材)

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スタッフ 小野

 

「案内させてください!」 呉、豊町、倉橋町 観光ガイド - 呉市ホームページ

【にじいろくれよんbookより〜その⑥】

今月発行した「にじいろくれよんbook」の内容を、こちらのページでもお伝えしていきます。
地域への関わり方はいろいろです。
様々な呉の彩り方をみつけてくださいね!

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まちの思いと建物を守る人

 

 

広島県建築士会 呉地区支部 副支部長
呉YWCA 業務執行理事
家頭 昌子さん

〜ここには「思い」が いっぱい詰まっている〜

呉、本通りの四ツ道路から亀山神社に向かう道。そこを通ったことがある人なら、きっと見かけたことがあるはず。右手に現れる、変わった形の古い木造の建物ー呉YWCAです。
元は海軍施設で1945年の呉空襲で残った貴重な木造建築物。戦後、進駐軍が入ったのち、呉YWCAが買い上げ長年大事に使ってきました。今年の6月には、地域で大事にされる建物を集めた「なかなか遺産」に認定されています。

その保全活動を進めているのが、建築会社 家頭組で建築士として働きつつ、広島県建築士会 呉支部、また、この11月から呉YWCAの業務執行理事として活動している、家頭昌子さん。

「こんな日が来るとは思ってなかったな」

そう言って笑います。
この場所と深く関わるようになったのは、ここ数年のこと。

「子どもの頃は絵画教室で来たことがあって。いつも年代関係なく、たくさん人がいて温かい場所のイメージだった。久々に来てみたら、いなくて。びっくりしちゃった」

2年ほど前、当時の運営の方に声をかけられ、外部理事として関わり始めます。
そして昨年春。降って湧いた建物の解体の話。建物は老朽化し、会員は高齢化し人も集まらない現状。そんな中で始まった検討会。

「先が無い。売却か解体に」という中ば諦めの意見が占めていた中、徐々に聞こえてきた「ここは心の拠り所」「大事な場所」という、利用者の方々の本音。

「『何もできないから何も言わない』という状況だったんだと思う。でも人の思いってすごく大きい。どんなに良い建物でも、そこに思いがなければただのハコ。でも、ここには〝思い〟がいっぱい詰まってるんだな、って」

 

保全の方針が決定。
その後、イベント利用やテナント貸し、「なかなか遺産」への推薦など、建築士会などのこれまで〝外部〟だった人たちを巻き込みながら保全活動を進めています。

「今の思いを次の世代につなげる場所にしたい…できるかなー」

そう言ってカラリと笑う家頭さん。何だか安心させられてしまうような明るさと豪快さが、周りの人をも突き動かす力なのかもしれません。

(2016年11月取材)

写真
・テナント利用している雑貨店の店主と
・呉工業高等専門学校とのベンチづくり

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スタッフ 小野

【ボランティア情報コーナーのご案内/くれ協働センター】

ボランティアを探している方から、「インターネット環境が整っていないから自宅で検索できない」「検索しようにもどこを見ればいいか分からない」という声を聞くことがあります。

くれ協働センターでは、ボランティア情報を検索できるようにタブレットを、受付付近のボランティア情報コーナーに設置しました。
タブレットをご利用いただく際にはパスワードの入力が必要なため、スタッフにお声掛け下さい。

ボランティア情報をお探しの方には、呉市在住、在勤、在学の方を対象としたボランティア情報・まちづくり情報などを提供している、ボランティア情報登録制度「くれボラ」への登録もおすすめです!
呉市社会福祉協議会、くれ協働センター(呉市役所1階)、ひろ協働センター(広市民センター4階)で登録可能です。

登録すると、協働センターが発行している、ボランティア情報紙「くれボラレター」や、センター主催行事や講座の案内、呉を彩る人々を紹介するニュースレター「にじいろくれよん」などがご自宅に届きます。

また、ボランティア活動を応援するボランティアメールマガジン「メルボラ」ではボランティア募集情報の配信を行っています。
毎月20日前後に配信していて、ボランティア情報がメールで届きます。

メルボラへの登録は、mm@kuresc.netに空メールをお願いします。
登録する場合は件名に「登録」と記入(本文は未記入で構いません)してメールを送信して下さい。

活動の相談も随時個別で対応しております。
何か始めたいと考えている方の活動のきっかけの場に、活動を広げたいと考えている方のサポートができれば幸いです。

スタッフ 岩崎

【にじいろくれよんbookより〜その⑤】

今月発行した「にじいろくれよんbook」の内容を、こちらのページでもお伝えしていきます。
地域への関わり方はいろいろです。
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人も動物も幸せなまちにする人

 


くれアニマルボランティアの会
増本聡さん 増本千代美さん

〜何もしないと 後退するばかりだから〜

青空と緑が心地良い休日のグリーンヒル郷原。
その1角の広場で、10頭ほどの犬が学生に連れられ、楽しそうに駆けています。
呉市動物愛護センターで保護されている犬たち。捨て犬などが保護され、新たな飼い主を探すために集められています。

この日は高校生の体験ボランティアが訪れていました。
散歩の仕方を教えるのは「くれアニマルボランティアの会」として動物の世話や掃除、啓発活動などをしている、増本聡さん、千代美さんご夫妻。

「ここは、捨てられる動物が居なければ、本来要らんのです。今、広島県は殺処分ゼロですが、引き取りをする団体が無理して頑張っているだけで解決ではありません。捨てる人が居なくならんにゃ、意味がないんです。皆も気軽に飼わんで欲しい」

学生たちに、淡々と、穏やかに語る聡さん。でも、その声は切実です。
ほとんど毎週、休日には活動に訪れる増本さん夫妻。センターに訪れ始めたのは、結婚する前のこと。先に居たのは千代美さんでした。

「昔は、ここに近づきたくなかった。犬が好きだから〝悲しい場所〟を見たくなくて」

初めて訪れたのは、2008年。グリーンヒルに芝桜を見に訪れた際、そこで繋がれていた犬にふと惹かれ、懐かれたことがきっかけでした。

「その犬・・・『アイちゃん』に会いに行こう、と思って通い始めました。ボランティアという意識もなく。自分は飼えない環境なので『アイちゃんが貰われるまで』と思って。貰われた時は、嬉しくて嬉しくて。そしたら、また気になる子が現れて・・・で、今に至る、と(笑)」

ある時「力仕事要員で」と、友人に誘われて訪れたのが聡さん。

「昔から動物に好かれるんですよ。初回、子犬の体を拭いたんです。犬が喜ぶんで。やりがいを感じて。自分の特技が生かせる場が見つかった感じです(笑)」

休日の度に活動するのは大変なはず。でも、お2人が持つ雰囲気はとても穏やかです。

「問題の解決には100年かかるんじゃないか、と思うんです。でも、何もしないと後退するばかりだから」

そう話す千代美さんと、深く頷く聡さん。

一歩一歩、着実に。

その活動は〝悲しい場所〟だったセンターを、動物たちの新たな家族を探すための〝あたたかな場〟へと少しずつ変えています。

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呉市動物愛護センターの保護動物の情報はこちらをご確認ください。
http://hiroshimapet.blog109.fc2.com/

スタッフ 小野

【にじいろくれよんbookより〜その④】

今月発行した「にじいろくれよんbook」の内容を、
こちらのページでもお伝えしていきます。
地域への関わり方はいろいろです。
様々な呉の彩り方をみつけてくださいね!
 
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子どもたちの居場所をつくる人

  

岩下 啓子
元 二川児童館 館長 

〜子どもたちがほっと一息つける 居場所をつくりたい〜

「あ!顔を虫に刺されとるよ!薬塗らんと。こっちに見せて」
そう言って、小学生の男の子の頰に薬を塗る女性。
「ありがとうございます」
小さな声でお礼をする男の子は、何だか恥ずかしそうで、嬉しそうです。
違う方向からは「先生!外で遊んでいいですか?」と元気な声が。
「ええよー!気をつけてね」
まるでお母さんのような、親戚のような・・・。

優しい笑顔で子どもたちを迎える、二川児童館館長の岩下啓子さん。
館長になったのは7年前ですが、スタッフとしての期間を合わせると、もう20年以上も児童館にいます。

時代の変化とともに、きっと、子どもたちの様子の変わったのでは?と聞くと「昔も今も、子どもがかわいいのは変わらないですよ」と、にっこり。
本当に子どもたちが大好きなことが伝わってきます。

元々、保育士として働いていましたが、2人目の子どもが生まれたのを機に離職。
自由な時間ができ、近所の母親たちが自分のスキルを生かして地域に貢献する活動をしていた「母親くらぶ(現・地域連絡協議会)」に参加していました。
児童館は活動場所として利用していましたが、紹介を受け、スタッフになりました。

児童館の利用者は様々です。

学校終わりの子どもたち。
ふらりと立ち寄る近所の人。
親子づれ。

月に1度は、乳幼児とその母親向けの行事もあります。

「イベントばかりにはしたくなくて。常に〝居場所〟としてそこにあって、安心してほっと一息つける場所でありたいんです。子どもの居場所づくりの一端を担えたら」

その岩下さんの信念が、きっと児童館を包んでいます。

あたたかくて、どこか懐かしさを感じる場所。

最近は、他の地区からも子どもが来るそうです。
こうした場所は、今、少ないのかもしれません。

「『あー楽しかった!』『また来たいな!』って、子どもが自然と言っているのを聞いた時が一番嬉しいです。ここは、そうした場所でなければいけません」

今日も、岩下さんのとびきりの笑顔が子どもたちを迎えます。

(2016年7月取材)

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岩下さんは平成30年3月末に退職されました。
退職の2日前に伺うと「ここを“みんなにとって癒しの場所に”という思いは変わりません」と。
その思いはちゃんと受け継がれることと思います!

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スタッフ 小野