9月14日(土)にボランティア講演会をくれ協働センターで開催しました。
40年以上にわたり、家庭に事情を抱えた子どもたちに食事を無償で提供する、元保護司で広島・基町の「ばっちゃん」こと中本忠子さん(特定非営利活動法人食べて語ろう会 理事長)を講師に迎え、活動を始めたきっかけや活動を継続するエネルギーになっていること、活動の広げ方、子どもたちへの思い、これからボランティアを始めたい方、すでにボランティアに携わっている方へのアドバイスなどをお話ししていただきました。

1882年、中本さんが保護司として担当していた子どもが「シンナーを吸っていると空腹を忘れられる」と言ったことから食事の提供を始めました。家庭や学校に居場所のない子どもたちの食事を支援する活動を始めた頃、周りから批判の声が上がりました。中本さんは当時を振り返りながら「人がなんと言おうとも負けずに続けて良かったと思います」とお話しされました。資金がない中で抱える子どもたちの数も多くなり、一日一日がどうしようの繰り返しだったそうです。それでもやめようという気はなかったとおっしゃいました。

2015年にNPO法人 食べて語ろう会を設立されました。
非行に陥った子どもたちの更生のための支援と、新たに非行に走ることがないように防止することを目的としています。
支援を継続するため、資金面は助成金などを活用されたそうです。
非行を防ぐには「孤独・空腹・環境」の3つが大切であり、今は特に“孤独”が問題だそうです。
様々な環境下にある子どもたちのために、食事や居場所を作りながら、お腹を満たし、今も変わらず心に寄り添い続けておられます。

支援をしてきた子どもたちとの縁は大人になっても切れることなく続いているとのお話から、中本さんはお腹を満たすだけでなく、深い愛情を注いで心を満たして来られたのだと思いました。
中本さんのお人柄、活動に賛同される方々のお力添えや関係各所との連携を図りながら法人の活動はさらに広がっています。

講演会の参加者からは「背中を押してもらえた」「生きる力を与えてもらった」「ボランティアを続けようと思った」「一歩踏み出す勇気をもらった」といった声が届きました。
「関わってきた子どもたちはみんな財産」とおっしゃったこと、中本さんの愛情の深さに大きな感銘を受けました。

私自身、中本さんの「これからも挑戦したいことがたくさんある」というお話を励みに頑張ろうと思いました。
講演会のテーマは「原動力」でしたが、この講演会が参加された皆さまのこれからの原動力に繋がっていたら嬉しく思います。

中本さん、小野さんをはじめ、食べて語ろう会の皆さま、ご参加いただいた皆さまありがとうございました。

スタッフ 岩崎