呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取り組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。今回は「仁方町まちづくり推進協議会」を取材。同協議会の大谷会長にお話を伺いました。写真は仁方町まちづくり推進協議会の取り組みの一つである「仁方地区子ども相撲大会」の様子で、仁方地区の伝統的な行事です。
●仁方地区ってどんなところ?
仁方町は、東西北の三方を山に囲まれ、南は瀬戸内の海が開けており、自然に恵まれた風光明媚な地域です。また、地形的にコンパクトにまとまっているため、小・中学校との連携の取りやすさに繋がっています。大東地区に残る櫂踊りは、明治初期から受け継がれる伝統芸能です。呉市無形文化財に指定されており、祝賀行事や、八岩華神社の例大祭で3年に1度披露されます。産業では、国内の90%以上のヤスリを生産しており、日本一の生産量を誇ります。酒造業では相原酒造や宝剣 酒造の日本酒が、SAKECOMPETITION2023でGOLDを受賞するなど、銘酒として全国に知られています。
●仁方地区の良いところ
仁方町戸田は「安芸の小須磨」と呼ばれ、呉八景に選ばれた景勝地です。この海に面した礒神社の境内には、ウバメガシの群叢があり、呉市天然記念物にも指定されています。大歳神楽は大歳神社(仁方町大歳)の、戸田神楽は礒神社(仁方町戸田)の祭礼において奉納される神楽です。古くから続く神楽文化を絶やさぬよう、次世代への継承や継承者の育成を行っています。史跡や文化財の残る歴史豊かな町であり、郷土愛や緻密なものづくりの技が仁方町の伝統や文 化、産業を支えています。
●仁方町まちづくり推進協議会の特色
毎年1月に行われる「交通安全カルタ大会」は、交通事故防止や交通安全の啓発を目的に行っています。また、交通安全への意識を高めて欲しいとの思いから、交通安全標語を仁方地区の小学生から募集し、優秀作品を表彰しています。仁方町まちづくり協議会の大谷会長は「地域の各種団体が標語を選定することが地域の一体感の醸成に繋がっています。」とお話しされました。さらに、誰もが住みたくなる仁方町を目指して、小・中学生とまち協の役員とで連携を図りながら、月に一度仁方駅であいさつ運動に取り組んでいます。
●仁方町まちづくり推進協議会の行事(※一部紹介)
・人権を考える仁方町民の集い
1994年から始まった「人権を考える仁方町民の集い」は、すべての人の人権が大切にされる、人にやさしい仁方のまちづくりを目指し、毎年2月に開催しています。仁方地区では地域で支え合うことを基本に、地域の各種団体が協力して行うことで交流を深めると共に、人権意識の高揚を図っています。小・中学生による音楽の演奏や講演会に餅つき、バザーなど多種多様な催しを企画するなど、仁方地区の多くの団体が参加する一大イベントです。
・仁方地区子ども相撲大会
仁方西神町にある八岩華神社で子ども相撲大会を毎年11月3日に開催しています。同大会は、前身の岩倉神社で1847年に始まった奉納相撲が起源とされています。西部地区自治会を主体に、仁方体育協会と仁方地区子ども会連合会が協力し、地域の伝統を守り、子どもたちに礼儀作法を伝えると共に、地域住民の交流の場にもなっています。
●まちづくりの課題
仁方地区では、高齢化による後継者不足や一部の人に負担がかかっていることが課題と捉えており、今後のまちづくりを支える人材の発掘や育成が望まれます。加えて、若い世代がまちづくりに参画できるような環境整備が必要と考えています。また、定期バス路線の減便や広駅以東の列車運行数が少なくなっていることから、住む地域によっては、移動や買い物に不便さを感じている住民もいます。より住みやすい町にするためには、地域住民の地域活動への参加やその意見を形にしていくことが重要と考えます。
スタッフ 岩崎
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