呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。今回は「豊浜町まちづくり協議会」を取材。
豊浜市民センター副センター長の西道さんと職員の大下さんにお話を伺い、取材の後に「熱帯系常緑樹ホルトノキ群叢」「あび資料展示室」「小野浦地区の迷路のような路地」を案内していただきました。
自然豊かでどこか懐かしさを感じる漁師町は、人と人とが自然と集います。豊浜では井戸端会議が風景の一部になっています。
まさにビューティフルアイランドな「豊浜町」をご紹介します。
●豊浜地区ってどんなところ?
豊浜町は豊島、大崎下島の一部、斎島、尾久比島、三角島の一部、その他の小島からなります。素晴らしい自然環境や多島美景観を有し、瀬戸内本来の島の風情を醸し出しています。その美しい景観は、映画「男はつらいよ」やアニメ「たまゆら」、テレビCM、広告などのロケ地にも選ばれています。
温暖小雨な気候であり、急傾斜面は秩父古成層などの肥沃な土壌に恵まれ、ミカンやレモンの栽培が盛んです。また、瀬戸内海で有数の好漁場に面した地域であり、江戸時代から伝わる「アビ漁」は、300年以上受け継がれてきた伝統漁法です。
●豊浜地区の良いところ美しい自然、動植物は町の誇りであり、宝です。室原神社(小野浦地区)の熱帯系常緑樹ホルトノキ群叢、大岐神社(立花地区)のムクの木が県の天然記念物に指定されています。また、国の天然記念物に指定されているアビ渡来群遊海面があります。近年、アビの飛来数は減少していますが、町民に親しまれており、アビとの関わりや歴史を紹介する「あび資料展示室」があります。
●豊浜町まちづくり協議会の特色豊浜町の伝統的料理(タコ飯、ソーメン瓜の酢の物、鯛ソーメンなど)を若い世代に継承していくため、豊浜中学校の生徒を対象に、地元住民の協力を得て、伝統料理教室を開催しています。昔ながらの漁師町である小野浦地区の魅力を伝える「小野浦迷路探検マップ」を平成 29 年 3 月に作成しました。現在では、全国から観光客が小野浦散策に訪れます。全盛期は約4,000人が暮らしており、家の密集度がその歴史を物語っています。狭くて細い路地にはノスタルジックな家が立ち並び、昔も今も変わらない佇まいが色濃く残っています。
●豊浜地区の取組み①ビューティフルアイランド祭り
地元の各種団体が協力し、毎年10月第3土曜日に「ビューティフルアイランド祭り」を開催しています。誰もが健康でいきいきと暮らすことのできる健康づくりや世代間交流を目的として、子どもから高齢者などが気軽に参加できるウォーキング大会を中心に行っています。町外の方にも参加を呼び掛け、豊浜町の魅力を広くPRしています。
●豊浜地区の取組み② ふれあい事業
島で暮らす高齢者がいきいきと暮らすための支援と地域活性化を目的とした広島国際大学の学生の「瀬戸内イキイキプロジェクト」では、学生が地域の高齢者サロンに出向き、健康チェックや健康学習などを行います。令和2年10月に医療栄養学科生・看護学科生が監修した健康レシピを紹介するリーフレットを作成しました。学生らは地域のお祭りにも参加、イベントに出展し、町民らと交流を深めています。
●まちづくりの課題
呉市の中でもダントツで高齢化が進む中、担い手不足が一番の課題です。自治会やその他の団体も同じ方が兼務しています。町並みの維持、行事や祭りなどの伝統文化の継承にも影響することが懸念されますが、とびしま海道の開通により、アクセスしやすくなったことで、県外からも観光客が増えています。豊浜町の豊かな自然と歴史的な町並みを活かし、観光客を誘致することで、まちを活性化していくことに活路を見出そうと取り組んでいます。住んでいて良かったと思える豊浜町を次世代に繋いでいくため、笑顔を絶やさないまちづくりを目指しています。
スタッフ 岩崎
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