呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取り組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。
今回は「昭和地区まちづくり協議会」を取材。昭和市民センターにてお話を伺いました。
写真は昭和市民センターから提供いただいた、昭和地区のまちキャラの「きよみん」、昭和地区の取り組みの中の「もち米づくり」と「きよみんと森の妖精イベント」の様子です。
地域内にある5つの神社の秋祭りに登場する特徴的なヤブも合わせてご紹介します。
昭和地区では地域資源を活かしたまちの活性化や地域の伝統文化を継承する活動など、まちづくりに取り組んでいます。

●昭和地区ってどんなところ?
昭和地区は呉市の北部に位置し、昭和30年代後半から芸南地区のベッドタウンとして急速に発展を遂げてきました。周囲を山々に囲まれ、自然豊かな昭和地区のまちづくりキャラ「きよみん」は地域の自然と地域出身の作曲家藤井清水の代表曲「足柄山」の金太郎をイメージした女の子です。今年が没後80年の藤井清水。記念事業も開催予定です。

●昭和地区の良いところ
「八寸」は山の幸と海の幸を組み合わせて作る煮物で、伝統の郷土料理です。昭和地区では祭りや正月、法事など人が集まる時に振る舞われます。地域の小・中学校に昭和西女性会が出向き、八寸の歴史や作り方を伝承しています。国の重要文化財に指定される本庄水源地は、旧海軍が用水不足に対処するために造られた貯水池です。桜の名所としても知られ、桜の時期には一般公開されます。地域内には神社が5社(高尾・神山・向日原・竹内・多賀雄)あり、秋祭りに登場するヤブは特徴的な風貌をしています。自治会内で祭りを行う地区もあり、創意工夫をしながら地域の伝統文化を継承しています。

●昭和地区まちづくり協議会の特色
昭和まちづくりセンターと昭和東まちづくりセンターは、「NPO法人昭和地区まちづくり協議会」が呉市から指定管理を受けています。多様化する住民のニーズに柔軟に対応できるよう、まちづくり推進センター(藤三焼山店2階)を設け、事業部がイベントを企画・運営しています。令和元年度より、休耕田の活用と3世代交流を目的にもち米作りを行い、収穫したもち米を販売し、収益をまちづくりに役立てています。

●昭和地区まちづくり協議会の取り組み(※一部紹介)
・デジタル自治会
電子回覧板機能を持った情報発信ツールとして独自のシステムを開発し、運用しています。昭和地区40自治会の情報や呉市の市政だより、昭和地区まちづくり協議会発行の「きよみん通信」などをスマートフォンやパソコンから閲覧できます。デジタル化することで、自治会役員の負担軽減や情報伝達の利便性向上を目指しています。加えて、子育て世代や若い世代の参加に繋げたいという思いがあります。自治会活動の簡素化と自治会員への活動の可視化を図ることで、若い世代の関わる幅を広げたいと考えています。

・きよみんと森の妖精イベント
地域資源である呉市野外活動センター(つつじが丘キャンプ場)の活用と3世代の交流を目的に令和4年から野外イべントを開催しています。イべントでは移動動物園、アトラクション、コンサートなどを行っており、地域の財産である美しい自然を大切にできる人に育って欲しいという願いを込めて実施しています。野外活動センターを多世代の居場所、地域住民の交流の場として活用しています。

●まちづくりの課題
担い手不足や少子高齢化の課題を抱えています。また、令和6年3月に昭和高校が廃校となったため、跡地活用を模索しています。さらに住みよいまちを実現するため、公共交通の不便さへの対策、公共施設等の整備促進、総合病院の誘致などが望まれます。昭和地区は子どもの数が呉市内では比較的多い地域です。子育て世代をサポートするため、子ども未来推進協議会を発足するとともに「サイバー昭和地区」と名付け、小学校区を核とした子育てが楽しいまちづくりの取り組みを推進しています。この町の未来を担う子どもたちを地域全体で育てる環境を整え、次世代へ繋いでいきます。

スタッフ 岩崎