呉市市民協働センターでは、各地区のまちづくりの取り組みを紹介するため、様々な団体さんの活動に伺っています。
今回は「川尻町まちづくり委員会」を取材。
川尻市民センター副センター長の宮田さんにお話を聞きました。

写真は川尻町の一大イベントの一つである「かわじり元気まつり」の様子です。会場には様々な催しやアトラクションがあり、たくさんの人で賑わっていました。

●川尻地区ってどんなところ?
北には野呂山、南には瀬戸内海が広がり、安芸灘に浮かぶ島々を望むことができる風光明媚なまちです。野呂山は昭和43年にさざなみスカイラインが整備され、当時はモータリぜーションの到来と言われるほど活気がある観光地でした。現在は昔ほどの賑わいはないものの、国民宿舎・キャンプ場・観光施設もあり、リピーター客や自然を楽しむために来訪される方も多いそうです。伝統技術の面では江戸時代から続く筆作りが盛んであり、川尻筆は国の伝統工芸品に指定されています。

●川尻地区の良いところ
川尻市民センターの副センター長の宮田さんは「川尻町はぎゅっとまとまった集落を形成しているコンパクトシティです。交通安全や防犯関連など、学童の登下校時のパロールを地域の方々がボランティアで行っています。地域の宝である子どもたちの安心安全を守るため、子どもたちの見守り活動を熱心にされている方が多いです。」とおっしゃっていました。川尻町では昔から子どもたちの見守り活動が盛んに行われています。

●川尻町まちづくり委員会の特色
地域の振興を図るような様々な行事や催しを助成することが一つの大きな目的です。川尻町の一大行事である「かわじり元気まつり」は、地域の皆さんがボランティアで準備・企画・実施されています。「みんなが集い みんなで創り みんなが楽しむ」をコンセプトに、行政主導の行事ではなく地域の方々が主体となって参加し、楽しまれている行事です。また、平成25年度に「“かわじり”の新しいマップを作ろう!!プロジェクト」で作成した「いいところいっぱいじゃけぇかわじりMAP」を元にウォーキングを年2回行っています。

●川尻地区の取り組み(※一部紹介)
・かわじり元気まつり
町内外にアピールし、川尻町の魅力をさらに向上させると共に、活性化に繋げるために始まり、例年11月の第3日曜日に開催しています。令和4年度は新型コロナウイルスの影響で3年振り21回目の開催となり、延べ6,000人が来場しました。子どもたちが楽しめるプログラムやアトラクションの他、農産物の品評会を行い、川尻町の農業の振興を図っています。
・かわじりMAPウォーク
いいところいっぱいじゃけぇかわじりMAP」のコースに沿って、地域の見所や知っているようで知られていない場所などを歩きます。地域の歴史・文化に触れると共に、親子での参加も見られ、世代間交流の場にもなっています。町民の健康増進と地域をより知ってもらうことを目的に、年2回開催しています。「合格祈願」や「縁結び」など毎年テーマを決めて行っており、約30〜40人が参加されます。川尻町まちづくり委員会主催、川尻地区自治会連合会、川尻町運動普及推進員会、川尻保健出張所と協働で実施しています。

●まちづくりの課題
川尻町は令和3年4月から過疎地域に指定されました。人口が減少し高齢化も進んでいるため、地域の伝統行事や催しも難しくなってきているそうです。宮田さんは「若い方に参加を呼び掛けるだけでは難しい部分があります。高齢者にはお元気な方が多くいらっしゃるので、まちづくりに取り込んでいきたいです。」とお話しされました。また、令和5年度からは地域おこし協力隊を受け入れます。町民以外の違う目線や若い発想で地域の課題に気づき、川尻らしさを出せるようなまちづくりに取り組んでいきたいと考えています。

スタッフ 岩崎